
オーストラリアの子供たちは自由でのびのび
オーストラリアへの親子留学や海外移住が増えてきているように、
「子育てするならオーストラリア」という方も比較的増えてきたと聞きます。
国が違えば文化が違うように、子育ての常識やルールについても違いがあります。

オーストラリアでオーペアをしていると、子供の育て方の違いに驚きます!
ですよね、カウンセル時に『これでいいんだ・・と感じることが多い』とよく聞きます。


でも日本の子供たちと比べて本当にのびのびしてますよね!
オーストラリアの子供たちはとっても自由で天真爛漫。
お外でよく遊び、走り回って放課後や週末にはパパやママと多くの時間を関わりながら育っていきます。
オーペアをしていると、まさに様々な違いを目の当たりにするので、
将来自分が母親になった時に参考になることばかりだと思います。
『こんな風に育てられたら素敵だなあ!』と参考になる時や、逆に『こんなに甘やかすのはやめよう。。』と反面教師に出来るからです。
今回はオーストラリアの子育て方法、「日本との違い」にフォーカスしてご紹介していきます。
マナーやしつけの方法がそもそも違うのです

日本では『常識』と感じていたことが海外では全く逆だった、
という事は少なくありません。
日本で漠然と感じていた「子育ての常識」や、
「自分が子供の時はこう言われていた」はオーストラリアでは通用しません。
オーストラリアの西洋文化の歴史は200年と非常に浅く、良い・悪いは別にして
欧米文化とはこういう感じなのだ、と前もって知識を持っていることが大切。
オーペアを始めた時に気が楽になるでしょう。
なぜなら、基本的にオーペア先で文化の違いを目の当たりにし、
ストレスになる理由は
『自分の常識、考え方と違うから』

『何でこの場面で叱らないの?』とびっくりする時もあります!
自分が親にならないとわからないこともたくさんありますが
一般的にいう常識の違いやオーストラリア人の子育て方法を知識として知っていれば最初から心構えが出来るので安心ですよね!
オーストラリアでは子どもの個性や強みを大切に育てる

まず、考え方としてオーストラリアでは
子どもそれぞれの個性をとても大事にしています。
日本人は控えめで、個人よりも集団を大事にする風潮がありますね。
同調圧力も強いので、みんなと同じことに安心するからだと思います。
ですがオーストラリアでは自分の個性を見つけ、ユニークさを伸ばしていくことが大切だと教えます。
みんなと違うことは個性、人と違って当たり前。
とはっきりと言葉で言う訳ではありませんが、他人と比べない育て方なので、子供たちは個性が自分自身の人生を生きるために大切と覚えていきます。
またジェンダーフリー:Gender-freeという考え方もあり、男の子は男らしく、女の子は女らしくという考え方にはめる育て方はしません。
その子自身の個性や気質をもっと重視してあげることが大切のようです。
学校にもそうした考えが基本的にあるため、子どもの成長度合いによって就学を一年遅らせる、
逆に能力の高い子どもは飛び級させるなど小学校から柔軟な対応が可能です。
信頼関係を強くする叱り方

オーストラリアでの叱り方。オーペアさんからもよく相談を受けます。
基本的な考え方は
子供と信頼関係を持つ
ことを非常に大切にしています。
『これやっちゃダメ!』『そんなバカな事して何考えてるの!』『こうしなさい!』と頭ごなしに叱ったり、強制させることはあまりしません。

そうなんです、ファミリーの叱り方はとっても勉強になります!
オーペアさんの話を聞いていても、子供の目線で『何がどういけなかったのか』ときちんと説明する親が多いようです。
”タイムアウト”というしつけのテクニックがあり、
何か悪い事をしたり、言いつけを守らない場合ある場所を決めて壁のそばに立たせる、
”naughty room”に入るというものです。
親も子どもも一旦離れることで冷静になり、落ち着いたら『なぜ』『どうして』を子供の目線で納得するように説明します。
感情的にならず、静かに諭すことが大切だということです。
子供はなぜ、どうしてを繰り返します。分からないので子供の目線になって何故行かないかをしっかり説明する事が大切です。
そして子どもがしっかり理解した後はギュッと抱きしめてあげて、愛情表現をたっぷりしてあげます。
どんなに小さな功績でも褒めまくる

そして、褒める。
何か成功した時、やり遂げた時にどんな小さな事でもちゃんと褒めてあげます。
小さい時のみならず、中学に入っても高校生になっても、いくつになっても褒めます。
私の経験ですが、以前学校行事の時などでもマラソン大会で15位くらいになった女の子のママが、さも1位を取ったかのように『本当によくやったね!走り遂げて素晴らしいわ』とべた褒めしていました。
英語での褒め言葉はこんな例があります。
- “I’m so proud of you”
- “Wow!! I’m so impressed!”
- “You are so talented!”
「偉い、すごい!」っていう感じのニュアンスですね。
日本ではよく、出来ない事にフォーカスして『何でこんなことも出来ないの』と叱りつける親がいますが、それだと全く自尊心は育ちません。
こちらでは出来る事があればそれを具体的に褒めて自己肯定感を養います。
親が子供に関わる時間と責任が多大

オーストラリアでは子どもがどこへ行くにも親が必ず送り迎えをします。
日本のように勝手に学校に行って自転車で習い事に行ったり、歩いて近所に遊びに行ったりはしません。
もちろん送り迎えは車なので、習い事を頻繁にしている子どもたちのママは“Mum’s Taxi”と呼ばれています。(日本のように放課後のクラブ活動などはありません)
私もタクシードライバーなので、午後3時からはずっと子どもたちに付き合います。
また何か学校で行事がある時は必ずプリントが来て「行ってよし」とサインをして提出することが必要です。
小学校では”puberty”(性教育)のコースを受けさせるプログラムがあり、その内容と、サインをする必要がありました。
色んな国や文化が集まる移民の国なので、多くの事を両親が決めなければいけません。
日本のように『みんながやっているから』という理由で全てに参加する必要はないのです。
もったいない精神はこの国に存在しない。食事を残してもオッケー!

日本では食事に関して、「好き嫌いなく食べる」「出された食事は残さず食べる」ことが大切と考えられています。
子どもの好き嫌いをなくそうと、苦労している親も多いのではないでしょうか。
しかしオーストラリアでは、「嫌いなものをがんばって食べる」という価値観は、あまりないようです。
よくオーペアさんから、

ご飯をほとんど残して、それを捨てるのはもったいなくてびっくりしました!
と言われます。
「席に着いて行儀よく食べる」「いただきます、ごちそうさまをみんな揃って言う」事もありません。
ところ変われば、マナーも変わる
「手のひらを返すような柔軟な対応」に少し抵抗を感じることもあるかもしれませんが、
このような異文化の子育てスタイルを理解することはオーペアとしてだけでなく、
人生においても貴重な経験となります。
オーストラリアの子育ては、自由と自立を尊重する点で日本とは異なりますが、
その違いを受け入れることで、より柔軟で適応力のある自分を育むことができるはずです。
オーペアとしての役割を通じて、文化の違いを楽しみながら、自己成長に繋がる経験をしていきましょう。