オーストラリアでABNを取得している(ソロトレーダー:個人事業主である)場合、タックスリターンはABN事業の収入を同時に申請します。
ここ数年で便利な世の中になり、マイタックス(myTax)というオンライン上、もしくはATOのアプリでタックスリターンが可能です。
私もABNを取得してビジネスをしているソロトレーダーです。
タックスリターンについてあまり情報がないので、これは自分の覚書と、あともしどなたかの参考になれば。
Uber、マッサージや美容師さんなど、個人でやられている私のようなマイクロビジネス向けの記事です。
個人でタックスリターンを申請する場合はその期限が10月31日までです!
コンテンツ
アプリをダウンロードする
ちょっと便利なATOアプリがあります。
こちらのアプリ、ダウンロードしてもしなくても MyGovのサイトからタックスリターンは可能です。
何が便利かというと、このアプリは必要経費や収入をその都度、記録できるんです。
myDeductionsに登録しておけば、タックスリターン時にそのままアップロード可能!
家計簿をつけれるようなコツコツさんには便利です。
面倒な領収書の計算についても、かなり手間が省かれます。
ただ、何気に毎回入力するのが面倒で、私のような人はどれを入力したか忘れてしまい、結局全てチェックする事になります。笑
myTaxを利用して自分でタックスリターンをする
myGovからリンクさせたATOのサイト「myTax」から、もしくは ATOアプリで可能です。
この方法はやってみるとかなり親切で、実はATOは銀行やセンターリンクといった行政機関など、様々な情報がひも付けされているんだとわかります。
ATO側でここまでしてもらえたら自分でも出来る!
✔7 月下旬までに、雇用主、銀行、政府機関、医療基金、および第三者からのほとんどの情報を事前入力してくれています。
✔個人情報を保護するために、さまざまなシステムとセキュリティを使用。
✔24時間年中いつでも利用可能。
✔払い戻しは通常 2 週間 (14 日) 以内に行われます。
✔myDeductions ツールに保持している記録をアップロードして、納税申告書を事前入力することができます。
✔独自の納税申告書を提出したいすべての個人およびABNを持つ個人事業主(ソロトレーダー)が利用できます。
✔申請証明書をメールで送られてくる
私も今まで毎年数百ドルを支払い、プロの会計士に支払っていたのですが、ここまで親切にオンラインで出来るようになり、最近は自分でするようになりました。
という事でやり方を説明します。
必要なものを準備する
・勤め先からのお給料
・政府からの補助金
・スーパーや年金保険
これらは雇用主がATOへ報告している義務があるので自動入力されているはずです。
ワーホリさんや学生さんも、これくらい収入がシンプルだとオンラインで自分で簡単に出来ます。会計士に手数料を支払う必要もありませんね。
ですがABNを持っていようがなかろうと、ビジネスとして個人で利益を得た場合にはプラスで作業が必要です。
収支をきちんと振り返って追加、訂正したり、数字が合っているか調べて申告する必要があります。
・持ち株や不動産収入
・個人事業主としての利益(UberやAirbnbなど)
・保険会社の支払い
・オーストラリア国外からの利益
などが申告すべき収入です。
詳細はATOのサイトで何をdeclare(申告)すべきか確認してください。
Tax deductions:必要経費について
業務で費やした必要な経費を控除できるので、領収書・レシートは保管しておくようにしましょう。
具体的には合計が300ドルを越す経費を計上するためには証明が必要です。
すべての経費内訳に関して領収証(レシート)などの証明書類が必要になるので、きちんと保管しておくようにしましょう。
例えば、Work-related expenses(業務関連費用)に関すると
・自分でお金を使い、払い戻されていないこと。
・費用は収入に直接関係している必要がある。
・それを証明する領収書があること。
というゴールデンルールがあります。
どんなものが控除できるのかはこちら
>>Deductions you can claim
自分でやる方法を順に解説
最近は自分でやる人が増えてきているようです!
自分でタックスリターンをすると、収支がよく理解でき、こんなものも経費として申請出来るんだ、と勉強になり私は面倒でもよかったと思います。
⚠一般情報をもとに、あくまでも私が行った方法です。私は会計士ではないので参考までにし、詳しくは専門家に相談してくださいね。
詳しくはこちら
>>Lodge your tax return online with myTax
myGovからリンクされたATOのサイトに移動します。
※ATOリンクなんちゃらの説明はここでは省きます。myGovのアカウントを作成して調べてください。
Prepare your 2021-22 returnとデカデカと「タックスリターンしなさいよ!」と出てくるのでPrepareのボタンを押します。
いよいよここからスタートです!
Financial institution details
個人情報や銀行口座(ここにATOから返金がくるので必ず確認を!)を正しいかチェックしてNextボタン。
Personalise your return
自分がどの立場か、どんなビジネスをしているかを入力します。
自分に合ったものをチェックしてください。Spouseというのは配偶者です。
その後もワーキングホリデーか、などの簡単な質問に答えていきます。
どのようなインカム(収益)があったのか、自動でチェックされてるので確認。
タックスファイルナンバーで仕事をしている人は自動的にここがチェックされているはずです。
ABNを取得している人はATOにつながっているので、Solo Traderもここには自動でチェックされています。
You had deductions you want to claim の欄もチェックして、控除されるものを記入できるようになっています。
経費として使った必要なもの、金額を記入できるようになっています。
Prepare return
Income statements and payment summaries
雇用主は全スタッフの給与や源泉徴収(天引きされた税金)スーパーアニュエーションをATOに申告する義務があるので、ここには自動で入力されているはずです。
ペイスリップ通りのはずなので何もしなくて大丈夫です。
ATOは銀行ともつながっているので、そのファイナンシャルイヤーの貯金の金利なども勝手に計算してくれます。
ABNのある人はこちらが重要
そして個人事業主はこちらに注意して記入ください。
インカムを前述のATOアプリ、myDeductionsツールにこまめに入力していると、アップロードした時に勝手に入力されていますが一応もう一度チェック。
毎週もしくは月に一回はmyDeductionsツールに間違いなく書き込んでおく事をオススメします!
Add/Editをクリックして、自分の稼いだ金額、経費を記入する必要があります。
銀行のビジネスアカウントをチェックするのもよいのですが、
私はPandleという会計ソフトを使って収益と支出の記録を取っています。
このソフトは課金制ですが、無料で利用も可能です。
記録は取れるし、インボイス(請求書)も送ってくれるのでとても便利です。
また前述のmyDeductionsツールをアップロードすると収支を自動的に記載してくれます。
なので自分で仕事をしている人は、入金と経費をその都度こういったソフトやアプリにメモっておく事が大切!
必ずビジネスアカウントとにらめっこして1年間で得た収入の金額を計算します。(pandleは課金すると自動的に銀行と繋げてくれます)
ビジネスを運営する上での基本なので、事務処理は私も苦手ですががんばりましょう!笑
Non-primary production – Business expenses
の欄にそのABNの事業で必要になった経費を記入します。
myDeductionsからアップロードした場合は自動で入力されていますが、一応もう一度チェック。
この辺りが腕の見せどころ!どれだけ節税出来るかですね。
私はエージェントなので、
Contractor, subcontractor and commission expenses
が経費を占めます。きちんと計算して記入。
あとは自分でスーパーを振り込むのも節税対策にはなります。
Business and professional items
そしてここがちょっと「んんん??」って来るところ。
Did you receive any personal services income?
という質問があります。
Personal services incomeとは何ぞや?と調べてみると
>>Personal services income
個人でコントラクターとして働いている人のようです。
エンジニアや税理士など。
私はコンストラクターではないのでNO
とするとさらなる質問が。
Main business or professional activity
とどんなビジネスをしているか聞かれます。
そしてそのビジネスを始めたところであれば
“Commenced business”
前ファイナンシャルイヤーからずっと続けている場合は
“Continuing business”
自分のビジネスネームとABN、住所を記入します。
Business income statements and payment summaries
Net primary productionとは。
自分のビジネスがNet primary productionかNet Non-primary productionであるか。
という質問が出てきます。
全く意味がわからないですね!笑
という事でここに説明が載っています。
>>Business income statements and payment summaries
※こんな感じで詳細を説明してくれるので、わからなければ自分がどれに該当するのか調べる事が大切です。
結論を言うと
primary producerとは林業や漁業などの産業に関わっているインカムか?
という事のようです。
第一次産業という意味でしょうか。
私は違うので
Non-primary production
の欄に収入を記入します。
ここでNon-primary productionのインカムをチェック。
Non-primary production – Business incomeに1年間の収入を記入します。
そして投資やレンタルプロパティで収入を得ている人は入力。
Remaining net non-primary production income or loss from business
ここに、最後に全てを足した課税対象の額を記入します。
全てのトータルが合っている事が重要です。
私は株も家賃収入もないので0です。
Deductions
Deductionsを知る事で節税となるので、独自に勉強する事をオススメします。
具体的には例えば課税額が$45,000を超えると税率が一気にあがるので、それ以下になるよう必要ならスーパーに投入したり、6月にパソコンやスマホを買ったりします。
ギフトやドネーション(寄付)なども経費として計算されます。
去年タックスエージェントに支払ったお金も経費となるので、レシートを置いておきましょう。
配偶者がいる場合は相手のお給料も申告します。
Tax offsets(タックスオフセット)について
これは簡単に言えばスモールビジネスをしてる人やその他資格のある人は、収入により控除があり、その分税金が安くなります。
Small Business Income Tax Offsetと呼ばれる最大1,000ドルの税控除制度です。
収入によって控除額が異なるので、こちらで自分の収入を入力して調べます。
>>small business income tax offset calculator
その後はIncome tests。子供の数です。私は勝手に2と入力されたので(子供が二人います)スルーです。
メディケアレイビー(メディケア)税について
Medicare and private health insurance
永住権保持者やオーストラリア人は、国民医療保険に税金を支払っています。
メディケアとプライベート保険も収入の2%を引かれます。
ワーホリや学生はメディケア税を免除されますのでYESですね。
Private health insuranceについては、
事前に入力されていましたが、間違っている可能性が高いので、各自チェックすることが必要です。
私のプライベート保険はAHMなのですが、AHMのサイトからログインし、Tax statementsをダウンロードして記入。
書き方もサイトに載っています。
How did you complete this tax return?
自分でやったので
Prepared myself
最後にTax Estimate をクリックすると、自分がどれだけ返金されるか、払わないといけないのかチェックできます。
Declaration
にチェックをいれてLodge
お疲れ様でした!
無事にタックスリターン終了
私はソロトレーダーなのでここで1年間支払っていなかった(源泉徴収されていない)税金を支払う事になります。
ABNを持っている人はすぐに支払えるように、現金を残しておきましょう。
次のページで支払う事ができるので、私は忘れる前に支払うようにしています。
セーブ出来てまた途中から再開も可能
疲れたら途中で保存してまた続きから出来るので、よくわからない場合などは調べてまた戻る事も可能です。
Resume ボタンをクリックして続ける
時間はかかりますが、思ったよりも簡単に出来てしまいますね\(^o^)/
むしろ、 ABNを持っていない、タックスファイルナンバーのみで働いている人ならすぐに終わると思います。
日本語でも参考になるサイトがあるのでこちら。
>>日本語でのオーストラリア税務局ウェブサイト