コロナの影響で農産業は前代未聞の人出不足
農業大国オーストラリア。コロナでファーム業界が大苦戦しています。
働き手不足に始まり、州境が閉じ農業従事者が移動できずトレードが困難になっていることなど、深刻な問題となってきました。
春は刈り取りのシーズンです。
先日こういったニュースをインスタのストーリーで投稿したので紹介します。
現在コロナの影響で、豪州全土で50,000人のバックパッカー労働者が足りていないと言われています。
パースのイチゴ農家も例にもれず、何と9000トンのイチゴが刈り取れない事になり、近隣の住民に 「食べたかったら自分でイチゴ狩りに来て」 と宣伝しているそう。
状況は深刻で、その他様々な栽培種の刈り取りシーズンは10月頃。その頃に政府が何の手立ても立てなければ農産業は最悪な状況になると警告しています。
オーストラリアの労働組合から批判の声があがる
そして労働組合が、
『オーストラリアの農産業はワーホリに長く依存しすぎで欠陥だらけである』。『今回のようなパンデミック時の緊急時に何もバックアッププランがない』と、制度の改変を求める動きがありました。
要は、オーストラリア人を雇用する方向へという訴えですがこれに対しても重要な問題が。
今現在オーストラリアの失業率は8%、年末には10%となる見込みでありますが、単純にオーストラリア人のファーム雇用を増やす、とは現実的ではありません。
なぜか。
これは私見ですが
失業率が上がろうとも、オーストラリアの手厚い福祉により衣食住が最低限確保されているからです。
衣食住足りているというのに、わざわざ僻地で、辛い体力労働をしにいくはずがありません。
ということでまたインスタのストーリーの紹介となりますが、
バヌアツからノーザンテリトリーのマンゴーの収穫に試験的に入国できるようになったりするそうです。
また太平洋諸島とティモールからの労働者の受け入れを再開するそうで、問題となっている労働者不足の解消を目指すと発表がありました。
なぜワーホリ依存率が高まったのだろう
オーストラリアのワーキングホリデーは、一定の期間ファームジョブをすると2年目のワーキングホリデービザ(セカンドビザ)を取得することが可能です。
しかし、私がワーホリだった頃はセカンドビザは存在せず1年限定でした。2005年から適用され、当時は「そんな素晴らしいものが出来たのか」と単純に驚いた記憶があります。
ということは、15 年前には農業全体を現地の人で賄っていたということプラス、この間に農産業が拡大されたということですね。
ビザが認定されて以降、オーストラリアの観光業の発展と同時に世界中からバックパッカーが集まりファームでの働き手が急増しました。
行き場のなくなったバックパッカーに対しパンデミックビザ措置
『パンデミックビザ』が話題になりましたが、これは緊急措置、テンポラリービザのうちの一つ。
こちらのビザはワーホリビザが切れる28日以内に申請可能で、母国に帰れず農業、介護、保育などの仕事を従事する方のみアプライできます。
資金不足で他のビザ(学生ビザ等)に変更することが出来ないことや、今までの職務経歴の資料などの提出が必要です。
今までに2000人のバックパッカーがアプライしたそうですが、現実的に見て日本には飛行機が飛んでいるので帰国が可能な日本人には当てはまらない、との見解が強いようです。
オーストラリアのワーキングホリデーの数は昨年の13万5000人に比べ現在は8万人と大幅に減少。また移民は今年は85%減少となる見込みだそうです。
どれだけワーキングホリデーメーカーがオーストラリアに貢献していたか、改めて考えさせられます。
一刻も早く収束し、早くどこの国からも入国できますように。