タックスリターンの時期がやってまいりましたね!
オーストラリアではこの7月〜10月末に自分で確定申告をします。
それで今回はタックスリターンて何?どうやってするの?
というワーホリと初心者向けの記事となります。
※Jan2024リライト(ATOのサイトがアップデートされました)
コンテンツ
税金が返金されるというのは都市伝説?!
『タックスリターンをすると税金が返ってくる』はすでに都市伝説というか、全ての人に当てはまるものではないので、
そう思い込んでおられるワーホリさん方も読んでみてくださいね。
まず、基本きちんと給与から15%のタックスが引かれていて、稼ぎが$45,001以下の場合のワーホリさんは、特に何もする必要はありません。
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以上の条件に当てはまる人もa non-lodgment adviceというものを提出しないといけない事になりました!(You were a working holiday maker on a 417 or 462 visa, and your Australian income was less than $45,001.)
一番簡単なのが、myGovのATO onlineサイトからの提出。
Tax–Lodgments–Non-lodgment adviceから可能です。
ATOサイト:a non-lodgment adviceのやり方についてはこちら
ではタックスリターンの話に戻ります。
税金を支払いすぎているわけではないので、払っていないものが戻ってくる事はないって事です!
むしろ、稼ぎすぎた場合(具体的には$45,001以上)や、会社から正確な税金が課税されていなかった場合には、支払われていなかった税金の差額を追加で支払う事になります。
なのでローカルやファームで稼ぎまくっている人には知っておいた方が良い、重要な記事になります。
とはいえ、状況次第で返金される場合もあるので、それらがどういうカラクリになっているのか説明してみます。
※全てATOのサイトなどに掲載されている一般的な情報なので、詳しくはATOのサイト、またはご自身の税理士さんに相談ください!
オーストラリアの税制を理解する
オーストラリアに住み働くすべての人は、収入を自分で申告しなければなりません。 いわゆる所得税の確定申告です。
労働時間やビザの種類は関係ありません。
オーストラリアで働くために必要なのがTax File number (税務ファイル番号=TFN)。
この番号は、オーストラリア国税庁(ATO)での納税者番号です。
働く予定のある方は、オーストラリアに到着したらすぐにTFNを申請しましょう。新しい仕事を始めるときにTFNを雇用主に提供する必要があるためです。
>>タックスファイルナンバー(TFN)の申請方法!届かない場合の対処法
※もちろんワーホリでも働く予定のない方、とりあえず転々と旅行をされる方は急いで申請する必要はありません=税金を支払う必要がないので意味はありません。
税金は受け取るお給料から直接徴収されています。
通常は「PAYG Withholding (PAYG源泉徴収) 」というタイトルで給与(ペイスリップ)に表示されます。
所得年度中にあなたの賃金から源泉徴収されていれば、自ずとタックスリターンが必要となります。
ですが特にワーホリの場合、例えばジャパレスだけで働いていた場合、バイトの給料から税金が既にワーホリの税率15%を天引き(源泉徴収)されているので必要のない場合がほとんどです。
税金を過払いしていた場合や、ファームなどで靴や服などの必要経費があった場合にいくらか返ってくるかもしれない、という話です。
タックス・リターン(TAX RETURN)とは?
その所得税の確定申告を自分で行うということです。
会計年度は、7月1日から翌年6月30日。
そして、毎年7月1日からタックスリターンの申告受付が始まります。
原則10月31日まで(登録税理士に依頼する場合は翌年の5月15日まで)に行わなくてはなりません。
SNSなどでは、今だに「税金が戻ってくる時期ー!」という声を見かけますが、多くのオーストラリア国民の場合、給料をもらう時点で既に税金を天引き(源泉徴収)されています。
またさらに低所得者で子供がいる場合などは、タックスリターンをすることによってセンターリンクから補助を得る事ができます。
私のようなABNを取得しているソロトレーダー(フリーランス・個人事業主)ですと逆に税金を納める時期となり、請求書が来るという、全くもって嬉しい時期ではなくなります。(T . T)
ワーキングホリデービザメーカーの税率
ワーキングホリデービザは1ドルでも稼ぐと課税されます。
非課税枠(税金のない範囲)もなく、税金はオーストラリア人や永住者、6ヶ月以上滞在している学生ビザ保持者よりも高い税率です。
ワーホリビザ(417 Working Holiday Visa)は『Working holiday maker tax rates』と特定の税率となっています。
1年で$45,000(約420万)以下を稼いだ場合、15%が税金となり最高で$6,750の支払いです。
それ以上稼ぐと、$45,000以上のお給料に32.5%の税率となるのでかなり税金を支払う事になります。
タックスリターンで返金どころか足りない分を追加で納税する必要があるので、$45,000を超えないように働くのをピタっとやめるワーホリさんも多いそうです。
Tax File Number を取得していない場合、また雇用主がワーホリを雇用する登録をしていない場合より多くの税金32.5%以上が引かれてしまいます。
ちなみにオーストラリア人、永住権保持者は$18,200までなら税金はかからず、それ以上$45,000までは19%となります。
この非居住者と居住者の全然違う税率の差が、『タックスリターンをすると納めた税金が戻ってくる』という結果になったりします。
ちなみに学生ビザであれば滞在6か月以上の場合と、滞在6か月以下の場合は全く別の税金システムが適応されます。
滞在期間が6か月以上の方はオーストラリア居住者と同じ税金システムとなります。
学生ビザ6ヶ月ちょっと取ってガッツリと働くとワーホリに比べて断然お給料が良い、という話。今(‘22.7)はコロナで何時間でも働いていいようになってるし、、。
返金される場合とさらに納税する場合
タックスリターンをしてなぜかさらに納税しないとダメな場合と、返金される場合があって、何でだろう?!と思った人もいるでしょう。
ここで具体例を出して説明します。
返金される場合
例えば、あなたがジャパレスで働いて合計1000ドル稼いだとします。そしてジャパレスからは何故か非居住者として32.5%天引きされていたとします。
つまり1000×32.5%=$325を源泉徴収されているわけです。
もしあなたが居住者だったら無税ですので、申請すれば返ってくるかもしれません。またはワーホリ税15%に調整してもらう必要があります。
実は2021年11月3日、イギリスのワーホリAddyさんがバックパッカー税をめぐる裁判オーストラリア国税局(ATO)に勝訴しました。
租税条約というものが争点となり、Abbyさんのビザ自体はワーホリですがオーストラリア人、永住者と同じ税率になったという結果です。
租税条約は日本とも締結しているのですが、その後ATOの規定では後ほど説明しますが、居住者と認定されるのをかなり難しくされたという印象です。
そして大事なのはこちら。
追加で納税しないといけない場合
逆に、雇用者がワーホリの税率で課税せず、最初から居住者並みに少なく税金を引かれていた場合、
タックスリターンを申請した事によってワーホリ税15%分をさらに追加徴収される場合もあるかもしれません。
『タックスリターンをすればお金がもらえる』という情報だけが一人歩きし、税理士費用を$200支払い、またさらに追加で税金を支払う羽目になることもなきにしもあらず。。トホホ。
再度、重要なのでしつこくお伝えしますが、ワーホリは1年で$45,000(約420万)以上稼ぐと、その後32.5%の税率となるので15%の税率で源泉徴収されていた分、タックスリターンで高い税率で課税されます。その分を追加納税する必要があります。
【重要】クレームできるものがあればタックスリターンで返金
そしてこちらが知っておいて損はない節税対策。
例えばファーム仕事などで使うブーツ、グローブ、名前入りユニフォーム、それらのクリーニング代・ガソリン代など仕事をする上で必要なものを申請できます。
ようは「必要経費」の金額を記入する事ができます。
これは申請した分の金額が返金されるという意味ではありません。
申請した分の金額が合計の収入から引かれるので、タックスリターンの税率が下がり、返金される額が増えるという訳です。
この場合、領収証(レシート)などの証明書類が必要になるので、きちんと保管しておくようにしましょう。
✔︎業務のための自動車経費や交通費(通勤以外)
✔︎制服の購入費や洗濯代
✔︎自己研修費(仕事と密接に関連したもの)
✔︎ジャーナルや本
✔︎文房具や工具(ノートや必要な工具)
✔︎携帯電話やタブレット、パソコンや周辺機器(プリンターやスキャナ)
✔︎ホームオフィス費用ー業務用デスク&チェアなど
またあまり知られていませんが、以下のものも控除に加えることで課税額を抑えることができます。
●前年度にタックスリターン申請のためにエージェントに支払った費用
●プライベート保険費用(private health insurance statement をベースに申請可能)
●政府からの給付金(種類によって非課税か違う)
●Medicare Levy:メディケア税(健康保険料)の免除
ポイントは「居住者」であるかないか。
ここでよくある「タックスリターンをすると必ずお金が返ってくる」という都市伝説の解説をします。
理論的にはワーホリで税金15%を徴収されていたとしても、居住者として認定されたら0%になる、という話ですが、、
現在(2022年7月)ATOのサイトには「ワーホリは居住者であるかどうか」判定についてかなり詳しく書かれています。
>>Are you an Australian resident if you come for a working holiday or visit?
ここをよく読んで、あなたが「居住者」であるということを申請&立証しなければなりません。
ポイントはこの部分ですね。居住者と申請できる場合はこんなシチュエーション。
✔︎オーストラリアに継続して6ヶ月以上滞在している
✔︎オーストラリアに自分の家がある、海外に家がない
✔︎近所のお隣さん、ファミリーなどと親しい関係を築いている
✔︎オーストラリアで長期の投資をしている
✔︎オーストラリアに住み続けるつもりがある
という条件に該当しなければなりません。
日本から来るワーホリさんでこの条件を満たすの人がいるのかかなり怪しいほどの厳しさです。
しかも同じ雇用者に6ヶ月までしか働けないワーホリの場合、この条件を満たすのはかなりレアケースだと思われます。
なのでわざわざ税理士を介してお金を支払っても相殺される税金がない場合(ジャパレスなどだけで働き、すでに15%源泉徴収されている場合など)リターンが0の場合もあるあるです。
ペイスリップをじっくり見て、自分はどこの会社でいくら税金を納めていたか確認してからタックスリターンを頼みましょう。
どんな場合にタックスリターンが必要か
まとめると、以前はタックスリターンはワーホリでも法律で義務付けられておりましたが、基本的には年間で$45,001以下稼いだワーホリさんは必要ありません。
(a non-lodgment adviceは提出する必要があります)
これはなぜか?先ほどのワーホリの税率の表のように$45,000以上を稼ぐと、その分のお給料に32.5%の課税となります。
なのでその分の追加納税をする必要がある、という事です!
法律なので、追加で課税されるのが嫌でも$45,000以上稼いだ方は必ずタックスリターンを行ってください。
しかし税率が間違って本来より多く徴収されていた場合。
時給$25で、ワーホリ税ではなく外国人として扱われ、3.5割引かれて$16しか貰っていない場合など。
納めすぎた税金を返して貰うことが可能です。
給与明細(Pay Slip=ペイスリップ)のPAYG Withholdingをチェックして、Gross Pay(税抜き給料)の何%を引かれているか調べ、15%でない場合は調整が必要です。
ワーホリでもABNを取得した方はタックスリターンは義務
ウーバーイーツや転売などでバイマなどの商売を個人事業主としてABNを取得した方は収入がなくても申告が義務となっているので注意です。
永住者もAirbnbやeBayなどで稼いだお金は、その時点では税金を取られていないですよね。
いくら稼いだという記録はABNで働く方の義務ですし、元々税金を支払っていないので、タックスリターン時に税金を払うことになります。
よって、ソロトレーダーにとっては納税の時期!
請求書が来るので、ワーホリの方は稼いだ分の15%分ほどの現金を残しておきましょう。
会計年度(7月1日から6月30日)の間に、他のビザに変わって収入があった場合も税率が変わるのでタックスリターンをしましょう。
タックスリターンの方法
やり方は以下の中で選択できます。
✔︎myGovから、またはATOのアプリmyTaxで自分でやる
自分でやるので無料です!
✔︎ATOのTAX HELPプログラムを利用する
所得が$60,000未満の納税者は、ATOが申告を無料で手伝ってくれる
✔︎税理士のエージェントに頼む
時間と費用がかかります。ほとんどの場合宣伝してる代行料より高くなります。
✔︎簡易ブースの代行サービスで頼む
ショッピングセンターなどのブースで手伝ってくれます。
myTaxはかなりシンプルに出来ているので、長い間一箇所で働いていた、や職場を転々としたわけではない場合15分程度で簡単にタックスリターンが出来てしまいます。
私も今までタックスエージェントに$200くらい支払ってお願いしていましたが、一度myTaxで自分でしてみたらめちゃ簡単でびっくりしました。
>>自分でやるタックスリターン!ABNを持ってる人の申請方法
タックスリターン詐欺に注意
このタックスリターンの時期にはATOを装った詐欺メールや携帯にメッセージが来ることがよくあります。
リンクをクリックするとIDやパスワードを入れることを促されるので、ATO以外のリンクからログインしないようにしてくださいね。
またATOを名乗る詐欺師から電話が来て、再入国出来なくなるとか、捕まるとか恐ろしい話をされたりも。
あと重要なのがタックスリターンを自分でしない場合、会計士の資格のある人にお願いしてください。
特に日本人のワーホリを狙って、お金だけもらって(ぼったくり)申請しない、違法な申請をするなどの詐欺行為があるそうです。
被害者の立場とはいえ、依頼したあなたが罰せられる可能性もあり得ます。
高いお金をエージェントに支払って結局返金が来たのは代行料以下の場合もあります。
オンラインで自分でも出来るので、基本的な英語ができる人はトライしてみてはいかがでしょう!
※これは全てジェネラルインフォメーションで’22年7月の情報です。責任は持てないので必ずATOのサイトなどでチェックしてください。